KONONEKIができるまで其の二

kononeki/ねき記
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其の一で土間まで完成したKONONEKI。
今までは土だった部分に土間が打たれて作業効率がぐっと上がりました。

厨房は各種法令規則に従って造り込みます。
長屋の壁はお隣さんと共有になっています。火災や騒音を考慮して壁をふかして、その中に断熱材を入れ、その上から石膏ボードを二枚重ねて貼り付けました。こちらのBGMなどの音はお隣に届きにくくなったと思います。

 建物の奥の部分は、前の借り主さん位前に増築された部分です。元々の建物と天井の材料や質感、色味などが異なるので、塗装してなるべく近づけることにしました。難しい仕事が多い中塗装作業は、私たちが行える数少ない作業の一つです。
 床材は杉カフェフロアを使います。奥行きの長さをさらに活かすため、縦引きにしていただきました。町家に杉はよく似合います。

 壁は蔵をイメージした漆喰塗りです。町家は土壁が多いのですが、あまり耐久性も良くないので漆喰を塗りました。色は真っ白では蔵やお城のような印象になってしまうので、オフホワイト系の漆喰をチョイスし暖かみを持たせました。漆喰の塗り作業も数少ないお手伝いできる作業、まっすぐ平らな壁面に仕上げるのは素人ですので難しいですが、模様を残しながら塗るのであれば私達素人でも塗ることが出来ます。自分で塗った天井や壁を見るとより一層愛着が湧いてきました。

 厨房は表通りに面しています。元々付いていたアルミサッシは取り外していただき、はめ殺しの大きな窓をあつらえました。大きな窓で開放感がありますが、あえて格子の一部は残していただきました。なるべく町家のテイストを失わせないように考慮しましたがいかがでしょうか。機材の搬入もあらかた完了し、厨房らしい雰囲気も出てきました。

 カウンターは杉板張り。横張りにするのか縦張りにするのかかなり悩みましたが、床材と同じく奥行き感が出るだろうと言うことで横張りに決定。アンティークな雰囲気を出すために塗装を施します。

 トイレのドアも塗装をして調和させていきます。一度違う色を塗ったのですが、イメージと合わず一旦全てサンダーで剥がして別の塗料で塗り直しました。余分な作業ですが、自分たちでやっているからこそやり直しが効きます。トイレのカウンターと壁際の席にもカウンターを設置。照明は裸電球が映える昭和の雰囲気を持つアイテム。宮城県のクリエイターさんに製作していただきました。

 最後に床の養生を剥がし、杉のフロアに木材保護剤を塗り込んでいきます。暗かった店内も一気に華やかになりました。照明も全て取り付け完了。厨房に資材を搬入して調理が可能となりました。

照明が照らすのは、大工さんよりプレゼントされたヒノキの板に、KONONEKIでレーザー彫刻を施しました。

お客様にこの根際(ねき)に来ていただきたい、そう思いを込めて「KONONEKI」と致しました。